日本銀行は2024年3月19日に金融政策の枠組みを見直しました。ただし、その発表だけで、すべての住宅ローンの金利や返済額が同時に同じ幅で変わるわけではありません。借入先の案内と自分の契約を確認する必要があります。
政策金利の推移:2026年の決定を日付で確認する
2024年3月のマイナス金利解除のあとも、日本銀行は政策金利を段階的に動かしています。短期金利は無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導水準で、2026年に公表資料で確認できた決定は次のとおりです。
| 決定日 | 短期金利の誘導水準 | 内容 |
|---|---|---|
| 1月23日 | 0.75%程度 | 維持(賛成8・反対1) |
| 3月19日 | 0.75%程度 | 維持(賛成8・反対1) |
| 6月16日 | 1.0%程度 | 金融市場調節方針を変更し、6月17日から適用(賛成7・反対1・欠席1) |
| 9月18日 | 1.25%程度 | 引き上げ(従来は1.0%程度) |
| 10月30日 | 1.25%程度 | 据え置き(NHKの報道。日本銀行の同日の公表は「当面の金融政策運営について」) |
4月28日と7月31日の会合の水準は、この記事では確認していないため表から除いています。政策金利の動きは、金融機関が定める基準金利と契約ごとの優遇幅を通じて、適用金利に届きます。同じ幅で、同じ時期に動くとは限りません。
政策金利から自分の返済までを分けて確認する
政策金利、金融機関が定める基準金利、契約の優遇幅、実際の適用金利は別の数字です。契約時の広告を読み直すだけではなく、最新の適用金利の通知と返済予定表を用意します。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 金利タイプ | 変動、固定期間選択、全期間固定のどれか |
| 金利の改定 | 基準、見直し日、適用開始日、優遇条件 |
| 返済方法 | 元利均等か元金均等か、ボーナス返済の有無 |
| 残りの条件 | 現在の残高、残期間、次の返済額 |
| 返済額の扱い | 5年・125%ルールの有無と、増えた利息の扱い |
金利別の返済額を、同じ条件で試す
残高2,000万円、残期間20年、元利均等・毎月返済、ボーナス返済なしと仮定し、その時点から金利が一定とした例です。実際の変動金利の改定手順を再現したものではありません。
| 仮定年利 | 月返済額 | 1%との差 |
|---|---|---|
| 1% | 約9万1,979円 | — |
| 2% | 約10万1,177円 | 約9,198円 |
| 3% | 約11万920円 | 約1万8,941円 |
計算式は「残高×月利÷{1−(1+月利)^−返済回数}」、返済回数は240回です。手数料、保険、端数処理は省いています。年利3%の例では1%より月約1万9,000円、年約22万7,000円多いため、その差を家計で吸収できるか確認します。ここでの金利は予測ではありません。
政策金利の0.25ポイント分は、返済額にいくらか
政策金利が0.25ポイント上がり、適用金利も同じ0.25ポイント上がると仮定して、残高2,000万円・残期間20年(240回)・元利均等・ボーナス返済なしの月返済額を比べます。
| 仮定する適用金利 | 月返済額 | 1つ前の行との差 |
|---|---|---|
| 0.75% | 約8万9,766円 | ― |
| 1.0% | 約9万1,979円 | 約2,213円 |
| 1.25% | 約9万4,227円 | 約2,248円 |
| 1.5% | 約9万6,509円 | 約2,282円 |
1.0%から1.25%への0.25ポイントで、月約2,248円、年約2万7,000円の差です。計算式は上の表と同じで、手数料・保険・端数処理は省いています。適用金利が政策金利と同じ幅で動く保証はないため、優遇幅や改定の時期は借入先の案内で確認してください。
返済額が据え置かれても、負担が消えるわけではない
5年ルールや125%ルールがある契約では、金利が変わっても毎月返済額の変更に制限がある場合があります。すべての金融機関・商品・返済方法に付く共通ルールではありません。
返済額が同じでも、利息の割合が増えて元金の減りが遅くなることがあります。利息を払い切れない場合や最終返済時の扱いも契約で確認します。125%は総返済額や金利上昇の上限を保証する数字ではありません。
125%ルールの上限額を数字で見る
上の例(金利1%、月返済額約9万1,979円)で、見直し時点の残高が2,000万円・残り240回と単純化し、125%ルールがあると仮定します。上限は約9万1,979円×1.25=約11万4,974円です。
| 見直し後の金利の仮定 | 本来の月返済額 | 上限との関係 |
|---|---|---|
| 3% | 約11万920円 | 上限内(約4,054円下回る) |
| 4% | 約12万1,196円 | 上限を約6,222円超える |
| 5% | 約13万1,991円 | 上限を約1万7,018円超える |
上限を超える分は月々の支払いに反映されず、契約によっては元金の減りが遅くなる形で残ります。実際の見直しは契約で決まった周期で行われ、その時点の残高は減っています。未払利息や最終回の扱いも契約ごとに異なるため、この表は仕組みを見るための単純化です。
借換え・繰上返済は手元資金も含めて比較する
借換えは金利差だけでなく、事務・保証・登記等の費用、保険条件、残期間を比較します。繰上返済は利息を減らせる一方、生活費や修繕費のための現金を減らします。近い支払いを確保したうえで、返済予定表を依頼しましょう。
基本の仕組みと比較項目は住宅ローンの金利タイプと返済計画で確認できます。金利の行方を当てるより、条件が変わっても返済を続けられるかを計算することが次の行動につながります。
参照資料
確認日:2026-10-12(日本銀行の政策金利の決定は2026-11-01)。記入表と架空の計算例は当サイトが作成しています。

