会社員の不動産投資では、家賃収入だけでなく、空室、修繕、借入返済、税金、売却までを確認します。税負担が減る場面があっても、そのためにお金が減るなら資産形成の目的と合うか再検討が必要です。
家賃から引く費用を、返済と分けて書く
| 区分 | 確認するもの |
|---|---|
| 取得時 | 物件価格、仲介・登記・融資等の費用、取得に伴う税金 |
| 保有中 | 管理費、修繕積立金、管理委託、保険、固定資産税等 |
| 借入れ | 残高、金利、元金と利息、金利変更の条件 |
| 変動費用 | 入退去、原状回復、募集、臨時修繕 |
| 売却時 | 売却手取額、仲介等の費用、残債、税金の確認 |
年間の税金や保険料も月額へ直し、収支表へ入れます。修繕積立金の増額予定や大規模修繕の資料、過去の賃料・空室、管理規約も確認しましょう。「家賃−ローン返済」だけでは手残りは分かりません。
月1万円の黒字でも、空室で変わる
架空の月額例として、家賃8万円、管理・税金等の月割り2万5,000円、返済4万5,000円なら、税引前の現金収支は1万円です。満室12か月なら年12万円となります。
1か月空室で、費用・返済が変わらないと、その月は7万円の持出しです。11か月×1万円−7万円=年4万円。さらに仮に原状回復と募集に10万円が必要なら、年6万円の赤字です。実際の賃料や費用ではなく、条件を変えるための例です。
金利が上がる、家賃が下がる、修繕が重なる場合も別々に試します。1室の空室はその室の家賃を止めますが、複数物件を買えば借入れや費用も増えるため、それだけでリスクが解消するとはいえません。
税務上の所得と現金収支は一致しない
借入金の元金返済は、現金が出ていっても原則として必要経費ではありません。一方、建物などの減価償却費は、計上する年の現金支出と一致しないことがあります。支払利息も用途や計算の区分を確認します。
不動産所得の赤字を給与所得などと損益通算できる場合がありますが、土地取得の借入金利子に相当する部分など、通算できない範囲があります。「赤字なら全額節税」「給与の税金が必ず戻る」と一括りにできません。税務上の計算は国税庁の案内を確認し、個別の処理は税務の相談窓口へ確認してください。
サブリースの「保証」は契約条件まで読む
一括借上げ等のサブリースでは、賃料の減額や契約解除の条件、免責期間、修繕の負担を確認します。国土交通省も賃料減額の可能性などの説明を求めています。所有者が希望すればいつでも自由に終了できるとは限りません。
説明資料と契約書を照らし、「いつ、誰が、何を理由に賃料を変えられるか」「空室でも所有者が負担する費用は何か」を書き出します。販売担当者の口頭説明だけで収支を固定しないことが大切です。
出口の手取額まで計算して判断する
仮に1,800万円で売れ、売却費用を100万円と仮定し、残債1,700万円なら、税金の前でも手元に残る額は0円です。100万円という費用は説明用の仮定で、実際は各費用を積み上げます。値下がりすれば返済のための追加資金が必要になる場合もあります。
最初に購入価格を決めるのではなく、空室・修繕・売却の条件を変えても生活資金から補填せずに済むかを確認しましょう。借入れを伴う資産形成は、住宅ローンの返済計画とも併せて家計全体で整理します。
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参照資料
確認日:2026-10-12。記入表と架空の計算例は当サイトが作成しています。

