63歳の母に「国債ってどれを買えばいい?」と聞かれた|500万円の運用を親子で本気で考えた話

2026.10.08

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ある日、63歳の母からLINEが届きました。

母のイラスト母

国債って変動10年がおすすめ?

どのくらいの金額で買ったらいいの?

私自身は株式投資もしていますが、母は投資経験がほとんどありません。話を聞くと、こんな希望がありました。

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もう年齢も年齢なので、確実に減らない方向がいい。

でも銀行に置いておくだけより、少しでも増えたらうれしい。

最初は10万円くらいという話だったのですが、話していくうちに100万円、300万円、そして最終的には、

母のイラスト母

500万円くらいなら使わずに置いておけるかも。

という話に。500万円となれば、なんとなく商品を選ぶわけにはいきません。

そこで、個人向け国債、預金、NISAでのインデックス投資などを比較して、母に説明するための表まで作ることにしました。

ところが、話の途中でもう一つ気になる話が出てきました。母はすでに豪ドル建ての終身保険に加入していたのです。

母のイラスト母

10年間は元本保証で、利率も変わらない。

かねまるくん私

その元本保証って、日本円で保証されているの?

ここから、国債だけではなく「外貨建て保険の元本保証」についても調べることになりました。この記事では、実際の親子の会話をもとに、60代で減らしたくない人の選び方、個人向け国債3種類の違い、500万円の考え方、外貨建て保険の保証を整理します。

最初に考えたのは「何を買うか」ではなかった

母から最初に聞かれたのは、

母のイラスト母

国債なら変動10年がおすすめ?

でした。でも、先に考えたいのは「このお金をどうしたいのか?」です。

希望最初に検討したい選択肢
とにかく減らしたくない預金・個人向け国債
10年以上かけて増やしたいNISAで全世界株・S&P500など
守りながら一部は増やしたい預金・国債+NISA

NISAで株式インデックス投資をする場合、預金や国債より高いリターンを期待できます。ただし、NISAは非課税制度であり、元本を保証する仕組みではありません。100万円が一時的に70万円、場合によっては50万円程度まで下落するような局面もあり得ます。

10年以上使わない余裕資金で、暴落しても売らずに保有できるなら候補になります。長期保有でも損失の可能性はなくなりません。「とにかく減るのが怖い」という人に無理に勧めるものではないと思っています。母の場合は明確に後者でした。そこで、まず個人向け国債を中心に考えることにしました。

NISAで長期運用したい人は

値下がりを受け入れて長期的な成長を狙いたい人は、NISAの仕組みと始め方も参考にしてください。

投資信託等は元本保証ではありません。口座開設前に各社の最新の商品・手数料・リスク等をご確認ください。

2026年10月の個人向け国債を調べてみた

個人向け国債には、変動10年・固定5年・固定3年の3種類があります。財務省が2026年10月7日に公表した10月募集分の条件は次のとおりです。

商品年利率(税引前)税引後金利の決まり方
変動10年2.05%1.6335425%初回の利率。半年ごとに見直し
固定5年2.39%1.9044715%満期まで固定
固定3年2.07%1.6494795%満期まで固定

募集期間は2026年10月8日~10月30日、発行日は2026年11月16日です。現在の金利を5年間固定したいなら固定5年、今後の金利変化に追随したいなら変動10年、という考え方ができます。ただし、変動10年の利率は下がることもあり、どちらが得かは保有期間中の累計利息によって変わります。

「変動10年=10年間引き出せない」ではない

「変動10年」という名前を見ると、10年間お金を動かせないと思ってしまいます。でも、個人向け国債は原則として発行から1年経過すれば、国の買取によって中途換金できます。額面100円に対する償還金額は100円で、中途換金時も同じです。

ただし、途中で換金すると、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた金額が、中途換金調整額として差し引かれます。換金時に受け取る金額だけでなく、すでに受け取った利息も含めて考える必要があります。

「10年間絶対に引き出せない」わけではありませんが、「いつ換金しても、それまでの利息を全部もらえる」わけでもありません。発行から1年間は原則として換金できないので、その間に使う可能性があるお金は別に確保しておきたいところです。

母の場合、固定5年も有力だと思った

母は「多少増えればいい」「元本割れはしたくない」「500万円くらいならしばらく使わない」という考えでした。そうなると、年2.39%(税引前)を5年間固定できる固定5年は分かりやすい選択肢です。

例えば500万円を固定5年で満期まで保有すると、税引後利息は年約95,224円、5年合計約476,118円です。元本と合わせて約547万6,118円になります。利息は半年ごとに受け取り、再投資しない概算です。実際の受取額は端数処理等で差が生じます。

固定3年は3年で満期になるため、その後の金利は購入時点では分かりません。変動10年も将来の利率は未確定です。同じ金利が5年・10年続くと決めつけて比較しないようにしました。

そして、500万円を使わない予定でも、生活費や医療費などの予備資金が別にあるか確認します。金額だけを先に決めず、いつ使うお金なのか、どこまで値動きを許容できるのかを先に考えることが大切だと思っています。

ところが、母は「豪ドル建て終身保険」にも入っていた

国債について話している途中、母から、すでに豪ドル建ての終身保険に加入していて、今年は約13万円を受け取ったと聞きました。さらに、こんな認識でした。

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10年間は元本保証で、利率も変わらない。

かねまるくん私

その元本保証って、日本円で保証されているの?

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元本も豪ドルなん?

ただし、この時点では正式な商品名や保険証券を確認していません。そのため、母の保険について、豪ドルで元本保証されているとも、保証されていないとも断定できません。13万円の受取金についても、正式な名称や支払条件は書類で確認する必要があります。

以下は、母の契約を特定した説明ではなく、保証の種類を理解するために調べた、別商品の公式資料の例です。

外貨建てで「最低保証」される保険は実際にある

例えば、メットライフ生命のビー ウィズ ユー プラスII(米ドル建)では、プランと契約経過期間に応じ、死亡保険金を米ドル建てで最低保証する仕組みが説明されています。一方、解約返戻金には最低保証がありません。

ここで分けて考えたいのは、次の3つです。

保証の対象確認する意味
外貨建て死亡保険金死亡時の保障額を外貨ベースで保証するか
解約返戻金途中解約した場合の受取額に最低保証があるか
円ベースの払込額円に換算しても払い込んだ金額以上を保証するか

「米ドルで最低保証されます」と言われても、何が保証されるのかを確認しなければいけません。死亡保険金なのか、解約返戻金なのか、積立金なのか。そして保証される通貨は米ドル・豪ドルなのか、日本円なのか。ここまで確認して初めて意味が分かります。

さらにややこしい「10年間保証」という言葉

外貨建て保険には、積立利率を一定期間固定する仕組みもあります。メットライフ生命は2026年9月29日の発表で、10月1日からサニーガーデン プライムに豪ドル建て・積立利率保証期間10年の選択肢を追加すると説明しています。

ここで10年間保証するのは積立利率であり、日本円の元本を10年間保証するという意味ではありません。また、2026年10月に追加されたこのプランが母の既契約と同じだという話でもありません。

サニーガーデン プライムの商品説明にも、指定通貨建ての死亡保険金の最低保証と、解約時の取扱いが別に説明されています。死亡時の保障があっても、解約時に同額が戻るとは限りません。

なぜ外貨で保証されていても、円では元本割れするの?

仕組みだけを理解するため、手数料や利息を省いた例で考えます。1豪ドル=100円のとき、100万円を交換すると10,000豪ドルです。将来も10,000豪ドルが確保されていたとしても、円に戻すときの為替によって金額が変わります。

受取時の為替10,000豪ドルの円換算額
1豪ドル=80円80万円
1豪ドル=100円100万円
1豪ドル=120円120万円

実際の保険には、保障額、積立金、解約返戻金、為替関連費用などが関わります。でも、外貨で金額が保証されることと、円で元本が保証されることは違うという基本は同じです。

途中解約なら、為替以外の影響もある

外貨建て保険の中には、市場金利などを解約返戻金に反映する市場価格調整(MVA)を採用する商品があります。一般に市場金利の上昇は債券価格の下落につながり、解約返戻金を減らす要因になる場合があります。商品によっては解約控除もあります。

「今は円安だから、円に戻せば得なのでは?」だけで判断せず、現在の解約返戻金と費用を、実際の契約に基づいて確認する必要があります。

「利率4%」=毎年4%儲かる、でもない

積立利率は、必ずしも払い込んだ保険料全額にそのまま利息が付くという意味ではありません。保険関係費用や為替、解約条件も関わります。「国債2%、外貨保険4%だから2倍お得」という単純比較はできません。

見るべきなのは、自分はいくら払って、いつ、いくら受け取れるのかです。死亡保障としての役割も分けて考えたいと思います。

母の保険でこれから確認すること

今回のケースは、商品名と保険証券を確認してから判断することにしました。

  1. 保険会社・正式な商品名
  2. 払い込んだ金額
  3. 契約通貨
  4. 「10年保証」の対象
  5. 死亡保険金の保証額と条件
  6. 解約返戻金に最低保証があるか
  7. 現在解約した場合の受取額
  8. 10年後に解約する場合の試算と前提
  9. 円で受け取る場合の条件
  10. 為替手数料・解約控除・市場価格調整など

将来の円換算額は為替等によって変わります。試算は確約された受取額と区別して、「今解約する」「10年まで持つ」「その後も継続する」を比較したいと思います。

保険証券を見てもよく分からない場合は

「基本保険金額」「積立利率」「解約返戻金」「市場価格調整」など、普段あまり使わない言葉がたくさん出てきます。契約した担当者に確認し、必要であれば別の専門家にも契約内容を見てもらう方法があります。

相談するなら「今入っている保険を解約・継続・見直しのどれにするべきか確認したい」と最初に伝えると、目的が明確になります。外貨建て保険の既契約を相談できるかも、あらかじめ確認しましょう。

相談したからといって解約や新規加入をする必要はありません。乗り換えを提案された場合も、失う保障、現在の解約返戻金、新契約の費用などを比較してから判断しましょう。

結局、63歳の母には何が合っている?

母の希望は「大きく増やしたい」ではなく、「元本割れは避けたい」「でも預金より少し増えたらうれしい」というものでした。この希望なら、個人向け国債は有力な選択肢です。

一方、同じ63歳でも、10年以上使わない余裕資金があり、大きく値下がりしても売らずにいられる人なら、資金の一部をNISAで長期運用する考え方もあります。年齢だけで決めず、何年後に使うお金なのか、どのくらいの損失なら耐えられるのかを考えたいと思います。

基本から整理したい方は、NISAの仕組みと始め方もご覧ください。

今回一番勉強になったのは「保証」という言葉だった

外貨建て保険には、外貨建てで死亡保険金等を最低保証する商品があります。一方で、同じ商品でも解約返戻金には最低保証がない場合があります。「10年保証」も、元本ではなく積立利率の保証期間かもしれません。

だから「元本保証です」と聞いたら、何が、何通貨で、いつの時点で保証されるのか。この3つを確認する。金融商品を選ぶうえで大切なことだと思います。

母の豪ドル建て保険も、実際の契約内容が確認できたら、「母が10年間元本保証だと思っていた豪ドル建て保険、本当は何が保証されていた?」という続編で詳しく検証したいと思います。

参考資料・出典

免責事項

本記事は、筆者と家族との会話をきっかけに金融商品の仕組みを調査・整理したものです。特定の商品への加入、購入、売却、解約等を推奨するものではありません。条件、利率、税制等は変更される場合があります。契約・購入・解約等の際は、公的機関および各社の最新資料をご確認ください。

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