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複利とは?単利との違い・積立試算・費用の影響を計算

複利は、元本に加え、得た利息や利益にも次の利息・利益が生じる考え方です。ただし、市場で運用する商品が毎年一定に増えるという意味ではありません。計算の仕組みと実際の投資成果を分けて見ていきます。

単利は元本だけ、複利は増えた額も計算の土台になる

元本100万円、年5%、税・費用なし、年1回の計算と仮定します。単利で利息を再投資せず、複利ではすべて再投資すると、次の違いが生まれます。

一定の年5%が続くと仮定した計算例(実商品ではありません)
期間単利:元本+累計利息複利:元本×1.05^年数
1年105万円105万円
5年125万円約127.6万円
10年150万円約162.9万円
20年200万円約265.3万円

単利は100万円×(1+0.05×年数)、複利は100万円×1.05^年数です。単利の欄は受け取った利息を使わず別に残した合計額として比較しています。使ってしまえば手元の合計は変わります。

積立では、後から入れたお金の運用期間が短い

最初に240万円を入れる場合と、月1万円ずつ20年積み立てる場合は、払込総額が同じでも運用期間が違います。積立の全額に「20年分の複利」を掛けることはできません。

月末に1万円を240回積み立て、実効年率3%に対応する月利を使えば約326.9万円、5%なら約405.8万円です。0%なら元本240万円になります。月利は(1+年率)^(1/12)−1、積立の式は「1万円×{(1+月利)^240−1}÷月利」です。費用・税・物価変動を省いた架空の計算です。

3%や5%は計算方法を示すための仮定で、予想利回りではありません。0%の結果も損失の下限ではありません。積立額の決め方とNISAの注意点はNISAの基本で確認できます。

費用は、その年だけでなく将来の計算にも響く

税・費用を引いた後の年率が一定の4%と5%だと仮定すると、100万円の20年後は約219.1万円と約265.3万円で、差は約46.2万円です。年1%の違いが毎年残高へ反映された例です。

これは特定商品の総費用を計算したものではありません。実際の手数料は残高や徴収時期、商品によって異なります。購入時、保有中、売却時の費用を分け、目論見書で確認しましょう。同じ費用の差でも、投資先の違いがあれば将来の成果は単純比較できません。

売却益には税がかかる:課税口座とNISAで手取りが変わる

ここまでの金額は税を引く前の計算です。課税口座で上場株式や投資信託を売って利益が出ると、所得税15%・復興特別所得税・住民税5%を合わせた約20.315%が課税されます(国税庁の解説による)。NISAの非課税の範囲と条件はNISAの基本で確認できます。

最後にすべて売却し、利益の20.315%を一括で納めると仮定した架空の計算例(費用・物価変動は省略)
例税引前の評価額うち利益税額手取り(課税口座)
100万円を一括で20年運用・年3%約180.6万円約80.6万円約16.4万円約164.2万円
100万円を一括で20年運用・年5%約265.3万円約165.3万円約33.6万円約231.7万円
月1万円を20年積立(払込240万円)・年3%約326.9万円約86.9万円約17.6万円約309.2万円
月1万円を20年積立(払込240万円)・年5%約405.8万円約165.8万円約33.7万円約372.1万円

手取り=評価額−利益×0.20315で計算しました。端数処理のため、表の数字を足し引きすると0.1万円ずれることがあります。実際には、分配金への課税、特定口座での源泉徴収の有無、売却の時期、損失との通算によって納める額は変わります。一方、NISAの非課税の範囲で運用できる金額は、この税額分が手元に残る計算になりますが、投資できる上限は制度ごとに決まっています。

値下がりも積み重なるため、平均だけでは分からない

100万円が1年目に20%下がり、2年目に20%上がっても、100×0.8×1.2=96万円です。増減率の単純平均は0%でも、残高は元に戻りません。年ごとの変化率は足すのではなく掛けて計算します。

利益を分配する商品では、分配後の価格と受取額を合わせて確認します。元本の払戻しに当たる分配を、すべて運用で得た利益と考えないようにしましょう。再投資する場合も、その分の税・費用や制度の枠を確認します。

目標額から逆算する:20年で1,000万円に必要な月額

積立の式を逆にすると、目標額に必要な月額を求められます。必要な月額は「目標額÷{((1+月利)^240−1)÷月利}」です。月末に積み立てる20年(240回)で、年率は実効年率の仮定です。

20年後に評価額を1,000万円(税引前)にするための月額(架空の計算)
仮定する年率必要な月額払込総額
0%約4.17万円1,000万円
3%約3.06万円約734万円
5%約2.46万円約591万円

仮定の年率が高いほど必要な月額は小さく見えますが、運用成績は保証されません。3%と5%の差は月に約6,000円です。0%の場合の月額(約4.17万円)まで増やせるか、使う時期を後ろにずらせるかを合わせて確認すると、仮定が外れた場合の不足を見積もれます。

売却益に20.315%が課税される課税口座で、最後にまとめて売却して手取り1,000万円にしたい場合の必要月額は、年3%の仮定で約3.23万円、年5%で約2.69万円です(同じ簡略計算)。

自分の試算に残す条件

  • 最初の元本と、追加する金額・時期。
  • 年率を何%と仮定し、どの計算周期を使ったか。
  • 税・費用を含めたか、分配を再投資するか。
  • 使う時期と、値下がりしたときの不足額。

高い仮定利回りで必要な積立額を小さく見せるのではなく、複数の条件を比べます。必要資金が足りない場合は、収益だけでなく、積立額、使う時期、支出も検討しましょう。

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参照資料

確認日:2026-10-12(国税庁の税率は2026-11-01)。記入表と架空の計算例は当サイトが作成しています。

訂正(2026年11月1日):月1万円を20年積み立てる3%の試算を「約327.7万円」と記載していましたが、正しくは約326.9万円です。

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